■日本人の精神性の根本にあるもの大切な事を思い出させてくれる40の妖怪たちのカードです。古くから伝わる日本の民話や神話・伝承の中に登場する奇々怪々な存在たち。愛らしい出で立ちで温かみのある者から、妖艶な姿で鋭いまなざしを向ける者まで、様々な表情を持っています。 日本人の精神性の根本にある、道徳や慈しみの心。ふとしたときにそれらを忘れてしまう私たちを、奇妙で神秘的な妖怪たちは、戒め、教訓を与えてくれます。この世の廃れは摂理でも。決して忘れてはいけない大切な心というものがあり、私たちが後世に伝えていかなくてはならないということを、妖怪たちは思い出させてくれるのです。 カードは全部で40枚。付属の解説書には伝承地の分布図や、それぞれの妖怪が登場する文献なども記載されています。妖怪が登場する物語を読んでみると、そこに込められた禁忌や教訓をより深く知ることができるでしょう。 幼い頃に読んだり聞いたりしたお話に登場した妖怪もいるかもしれません。時に厳しく、時に優しく、目には見えない世界から私たちを見守ってくれている妖怪は、妖精や精霊などとも似ていますが、どこかユーモラスでウィットに富んだメッセージを届けてくれる日本古来の独特な存在でもあります。 私たちの祖先から綿々と語り継がれて来た「大切なこと」。 多種多様な妖怪たちから今、自分に必要なメッセージを受け取ってみれば、自分を律し、前向きな気持ちを取り戻す事ができるでしょう。 ■著者紹介藍伽(あいか/民話・伝承研究家 カードデザイナー)幼少期より昔話や伝承を好み、栃木県の民話集を愛読する少女時代を送る。カードデザイナーとしての実務を数多く重ねるにつれ、「妖怪が持つ禁忌や教訓、信仰は日本が世界に誇るべき文化である」との思いが募り、独学で知識を深める。2011年、境港妖怪検定(鳥取県境港市主催)上級試験合格(当年新設)。同時に、「古来から多くの人に綿々と語り継がれた存在である妖怪をカードにしよう」との思いから自らがフィールドワークに趣き、『日本の妖怪カード』を完成させた。京都教育大学大学院修了。東京都国分寺市在住。 監修:小松 和彦(こまつ かずひこ) 1947年、東京都生まれ。国際日本文化研究センター所長。東京都立大学大学院博士課程修了。信州大学教授、大阪大学教授、国際日本文化研究センター教授等を経て、2012年から現職。専攻は、文化人類学、民俗学。妖怪、鬼、異人、憑きものなどの考察を通じて、日本人の精神構造の解明を目指す。2013年、紫綬褒章受章。 飯倉 義之(いいくら よしゆき) 1975年、千葉県生まれ。國學院大學大学院修了後、国際日本文化研究センター機関研究院を経て、現在國學院大學文学部准教授。専門分野は口承文芸学、現代民俗論。 |